総合カタログ
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2となります。2から逆算できます。連続推力(FC)リニアモータは、一定推力を一定時間(例えば十数分)保ってコイルが達する定常温度があるレベル(例えば100℃)以上だと、モールドが融解してコイルが壊れます。この限界温度に達するような一定推力の大きさを連続推力と定義しています。室温25 ˚Cの環境で用いる場合、限界温度を100℃とすると、許容上昇温度は75℃となります。連続電流(IC)連続推力を出すときに、リニアモータに流れる電流の大きさです。最大推力(Fp)リニアモータが出せる推力の最大値の目安として用います。連続推力の3倍に設定する場合、単位時間に発生する発熱は9倍になるので、リニアモータを100℃以下に保つには実効推力を1/9以下に留めることが必要です。また最大推力をそれより高く設定する場合は、継続時間を1s以内にするという制約が課されています。最大電流(Ip)最大推力を出すために必要な電流です。実効推力(FT)ステージ運用1サイクル当たり消費電力の観点での実効的な推力の大きさです。1サイクルの時間をTとすると、FT={ʃ f(t)2dt/T}1/2で定義されます。FT=Fcであれば、その時の定常温度は100℃になります。推力定数(Kf)単位電流 I(Arms)当たりに発生する推力F(N)の比です。次の形で用いられます。F = Kf × I逆起電力定数(KV)逆起電圧は、サーボモータにおいて永久磁石の磁場でコイルが動くときに生ずる電圧です。リニアモータの速度(m/s)に対する逆起電圧(Vrms)の比が逆起電力定数です。モータ定数(Km)消費電力の平方根に対する発生推力の比で、リニアモータの性能に関する指標の1つとして用いられます。消費電力はPv=F/Km温度抵抗(Rth)コイルの消費電力1Wあたりの温度上昇です。実効推力FTに対して、温度上昇はΔT=RthFT/Kfワブリング回転モータの用語で、モータ回転における回転軸のぐらつきです。回転軸の理論的な回転中心からの偏芯に起因します。繰返し位置決め精度同一箇所で複数回位置決めを行なったときの、測定値の再現性を表しています。基準位置から一定方向にリニアモータを動かして、光学干渉計により複数回位置決め偏差を測定し、その最大値と最小値の差によって求めます。ストローク全体の複数箇所でこの測定を行い、最大値をステージの繰返し位置決め精度とします。略して繰返し精度ということもあります。位置決め精度基準位置から一定方向にリニアモータを動かして位置決めを行なった時の、目標値と測定値の偏差を表しています。ストローク全体の複数箇所で複数回測定を行ない、そのうちの最大の偏差をステージの位置決め精度とします。略して精度ということもあります。ドライバ内部にストロークに沿った誤差を保存し、これを用いて補正位置制御を行うことも可能です。水平真直度ステージで可動子が移動するときの水平面における軌道の振れ幅をいいます。垂直真直度ステージで可動子が移動するときの地面に垂直な方向の軌道の振れ幅をいいます。分解能エンコーダの最小検知距離をいいます。ステップサイズ駆動系が実現できる最小移動距離をいいます。ドライバおよびモータの駆動最小単位によって決まります。吸着力(Fa)コア付リニアモータにおいては、鉄心によって磁束密度を増し、大きな推力を得ています。しかし鉄心を持つために、可動子と固定子の間には、5~6倍の磁気吸着力が働きます。ガイド系への負荷は、可動部重量の他にこの吸着力が加わることになります。巻線抵抗(R25)温度25℃におけるコイルの電気抵抗です。温度が上がると、この電気抵抗値は増します。温度80℃における電気抵抗はおおよそ1.2 x R25になります。剛性静的な外部応力に対するステージの弾性ひずみの抵抗係数を静剛性、動的な外部応力に対するステージの弾性ひずみの抵抗係数を動剛性といいます。294. 基本情報4.1 リニアモータステージ関連用語

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