総合カタログ
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P ro( aFYX)重荷の向方軸SaFa (or P)Sa2Fa (or P)図4.16:ゴシック形の断面と予圧の関係図4.17:スペーサによる予圧図4.19:オフセット予圧図4.18:オーバーサイズ予圧Sa2FnFn l2 l2引張予圧スペーサ引張荷重引張荷重リードリードナットねじ軸圧縮予圧スペーサ圧縮荷重圧縮荷重引張荷重引張荷重リードリード+δナットねじ軸リードリードリード変位リードの剛性を高める(作動損失を減らす)という2つの効果を持ちます。ボールねじは軸方向の負荷を受けるのでボールねじ溝の最良の溝形状はゴシック形です。この溝形状は、ボールとねじ溝に対して特殊な接触点を持つことにより軸方向のバックラッシュを解消し、ナットの剛性を高めます。予圧関係と共にゴシック形の断面が図4.16に示されています。特殊デザインのゴシックボールねじ溝は、ボールの接触角を約45ºにすることができる為、外部の駆動力または内側の予圧の力から生じる軸方向力Faは2種類のバックラッシュを作り出します。その1つはボールねじ溝とボールとの間の製造時のクリアランスにより作り出される垂直バックラッシュです。他のものは接触点に直角な垂直力Fnにより作り出される変位バックラッシュ△ です。クリアランスバックラッシュは、予圧内力Pによりダブルナットまたはオフセットピッチシングルナットによって、あるいは予圧を受けるシングルナットに対してボールサイズを調節することにより解消することができます。移動バックラッシュは予圧内部力および外部負荷力により生じ、動作損失の効果のもたらすものに関連します。(1)ダブルナット予圧 予圧は、2つのナットの間にスペーサを挿入することにより得られます(図4.17)。“引張予圧”は、過大サイズスペーサを挿入し効果的にナットを押し離すことにより作り出されます。“圧縮予圧”は、2つのナット間に過小サイズスペーサの挿入によりナットを互いに押し付けることにより得られます。当社の精密ボールねじでは引張予圧が標準です。圧縮予圧が必要な場合には当社にご相談ください。剛性を高める為に予備張力法が必要な場合、ボールねじジャーナル端に用いられる予備張力の量については当社にご確認ください。(メートル当り0.02mmから0.03mmが望ましい。ただしTの値は補償の目的に応じて変わる)(2)シングルナット予圧この予圧をかけるには2つの方法があります。1つの方法はボール溝のスペースよりも僅かに大きいボール(オーバサイズボール)を挿入することによりボールを4つの点で接触させます(図4.18)。もう1つの方法は、図4.19に示すオフセット予圧と呼ばれます。ナットはセンタピッチにδ値のオフセットを作り出すように研削されます。この方法は従来のダブルナット予圧法に代わるものであり、小さい予圧力により高い剛性を出せるコンパクトなシングルナットをその利点としています。しかし重荷重の作用時の予圧には不適当であり、最適の予圧力は基本動定格荷重(C)の5%以下です。 l l214.4 予圧方式予圧は軸方向のバックラッシュを取り除き、かつ軸方向負荷によりねじ軸の移動時の偏りを減らします。従ってボールねじ

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